こんにちは。 daiki です。
この記事はGMOペパボエンジニアカレンダー2021の記事の一部でもあります。もしよろしければ他記事もお読み頂くときっと楽しいと思います https://adventar.org/calendars/6375
この記事ではタイトルの通り社会人エンジニアな僕が研究を続ける理由をちょっとだけ丁寧に書きます。
自伝を含むエッセイ的な読み物ですので、ご興味のある方は肩の力を抜いてお読みください~
Doctorになりたい
実は小学校の時、僕は医師を目指していました。特に何か大きな理由があったわけではないですが、なんとなくかっこよかったからです。
自分で言うのもなんですが、小学校卒業まではそこそこ成績も良く、わりと真面目に目指していたものの、中学受験に失敗、その後は流れに身を任せていました。
もちろん、そんな調子では偏差値が上がるわけもなく、下がり続ける自分の偏差値と振り上げた拳である「医師になる」という夢の間でとても悩み続けました。
ところで、僕は医師になる意外にも考えていた事がありました。それは学者です。ただこれはなりたくて何か具体的に行動に移したとかではなく、ただ単純にある事柄に対して造詣が深い事に対して憧れがありました。
この2つの目標で僕は一つの共通項を見つけました。「Doctor」が僕が目指すところだったのではないかということです。
足の裏の米粒
とはいえ、医師ではなく博士のほうのDoctorは足の裏の米粒とも言われるとおり、とったからといってすぐに役に立つ称号ではありません。
このことは、大学4年の自分を大きく悩ませました。大学院へ進むべきか、それとも就職するか。通っていた大学では8割の学生が大学院へ進むということもあり、結局はどっちつかずの社会人院生というところに落ち着きました。
研究の重要性に気付いた
卒論までは学位ありきで研究を進めていました。なんとか大学を卒業せねばという責任感から進めていただけで、研究の内容や意味についてとくに深く考えていませんでした。
しかし、社会人院生になってから自分の人生において研究のもつ意味について説明できるようになりました。
それはなぜか。聞かれるからです。
大学全入時代などと言われて久しい昨今では、大学に入ることも珍しくなく、その中で研究をする事も特に特別なことではなくなっていると思います。高校生になぜ受験勉強をしているの??とはなかなか聞かないように、大学生にどうして研究しているの??とも聞かないと思います。
しかし、社会人学生にあってはどうでしょうか。どうして学びを続けているのか。という問いは自分の中にあるだけではなく、質問という形となって他人からも聞かれるようになります。
ひとまずDoctorを取りたいから。で済む場合はよいですが、より詳しいことを話すこととなったとき、自分がどうして研究者になったのか、どうしてこのテーマなのかということを丁寧に説明する必要があります。場合によってはこの記事に書いているような生い立ちみたいなことを語ることもあります。
そこで気付いたのですが、研究は僕にとって自己表現の一つであり、アイデンティティーを形成する要素の一つであったのです。
僕を語るには僕の研究を語らなければならず、僕の研究を語るには僕を語らねばなりません。
ちょっと飛躍してしまいますが、研究は僕にとって生きる意味の一つであり、続けることが人生の目標の一つだったのです。
エンジニアと研究
僕は小学生のころからプログラマブルないろいろが好きで、ピタゴラ装置の様なものをつくってみたり、小学校3年からはBASICを書いたりしてました。学校の勉強とは殆ど関係ない、けれども自分の中でコンピュータなどのブラックボックスの仕組みを解明する”研究”は、これまでに述べたとおり研究として大きな存在を持っていました。
これは10数年たった今も変わらず、新たな技術を見つければその仕組みを知りたいし、使いこなしたい。できれば一歩前進して何かをつくりたい。これは僕がずっと続けてきたことであり、今仕事にしていることでもあります。
エンジニアの仕事は大きく分けて保守運用と、開発に2パターンに分かれると思います。開発は新たなものをこの世に送り出すという点において、研究がもつ新規性・独自性の追求という点にとても似ています。では、保守運用はどうでしょうか?ぱっと聴きは研究っぽくないと感じられるかも知れませんが、深い業界・技術造詣をバックグラウンドに故障箇所の特定をしていく切り分け作業などは正に研究での仮説・実験・考察にあたる部分です。ここで僕の頭の中では
エンジニア=保守運用・開発≒研究
という等式が成り立っています。近年はR&Dという境界領域もありますが、より大きいスコープでみればエンジニアリングは研究から派生した領域であり、今もなお研究的な要素を残している部分なのではないでしょうか。
研究で知り得た知識はエンジニアリングでも役に立つし、その逆も然り。これが今も研究を続ける大きな理由の一つです。
もっといろんな人に研究して欲しい
こんな上から目線で言ってもいいのか?と思いますが、あえて恐れずに言ってみます。
どんな人も自分の趣味や好きなもの、興味あるものはあると思います。それらをもっと深掘りしてみませんか?
僕はいろんな人がより気軽に研究という分野に足を踏み入れ、同じ研究者として議論を白熱させることが出来る未来を期待しています。
要するに。
もっと趣味を深めて!!!!!そのことについて!!!!!おしゃべりしたい!!!!!!
つまりはこういうことです。
研究というと学会・研究会とか大学とかそういった形式張ったものも良いですが、市井であれこれ議論したり研究するのも良いと思います。勉強会や趣味の集まりなどはれっきとした小さな研究の場だと思います。こんな場がもっともっと増えたらもっと楽しいんじゃないかな~と思った12月1日でした。
おわりに
今年も様々な人にお世話になりました。本当にありがとうございます。
今年も残すところのこり1ヶ月となりましたが、読者の皆様にあってはお身体ご自愛の上、良いお年をお迎えください。